幼稚園幼児指導要録の記入のコツ!書き方や用語例の最新参考本も紹介

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保育の引き出し

幼稚園教諭の皆さん、いつもお仕事お疲れ様です。
年度末になり、指導要録の季節が近づいてきました。

パソコンを使っている園もあるでしょうが、まだまだ手書きで書いている園もあると思います。
膨大な仕事量が待っていて、書類が苦手な先生にとっては、辛い時間になりますよね。

今回は、幼児指導要録の「指導に関する記録」への記入ついて、書き方のコツをお伝えしていきます。
また、参考になる本も紹介していますので、是非ご覧ください。

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幼稚園幼児指導要録とは?

幼稚園幼児指導要録は、学校教育法施行規則第24条によって定められている、公式の表簿であり、園児の「学籍に関する記録」と「指導に関する記録」を幼児指導の記録とするとともに、外部に対しての証明の為の原簿となるものです。

幼稚園幼児指導要録は、園児が幼稚園を卒園する際に、”抄本”か”写し”を、進学先の小学校へ送付することが義務付けられています。

また、幼児が転園する際は、転園先の幼稚園にも送付しなければなりません。

平成30年度より改定された点

平成30年度より、幼稚園幼児指導要録の改善が通知されています。
幼稚園及び特別支援学校幼稚部における指導要録の改善について(通知)

学籍に関する事項については、変更はありません。
特に変更点があったのは、「指導に関する記録」の部分の、5歳児の記録の部分であり、「最終学年の指導に関する記録」を記入しなければなりません。

5歳児に関しては、これまでの考え方を引き継ぐと共に、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」を記入することで、小学校での指導に活かされるようにしなければなりません。
「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、幼稚園卒園時の到達目標ではなく、また、個別に取り立てて指導するべきものではありません。
その子供に育まれている資質・能力を捉え、指導の過程と育ちつつある姿を分かりやすく記入する、というものです。

詳しくは、後述します。

こちらの参考図書もご覧ください。

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書き方や記入内容

この記事では、指導に関する記録について、解説していきます。

指導の重点

指導の重点には、「学年の重点」と「個人の重点」があります。

学年の重点

学年の重点は、それぞれの幼稚園の教育課程に基づいて、長期の見通しとして設定したものを、学年の初めに記入します。
よって、その学年の幼児が、みんな同じ文言になります。

個人の重点

こちらは幼児一人ひとりに対し、1年間を振り返って特に重視して指導してきた点を記入します。
実際に1年間、幼児と接しながら保育する中で、特に重点を置いたものを記入します。

個人の重点は、年度の途中で見えてきたものを補助簿などに記入しておきます。
当初、予想した物とは異なってくる場合もありますので、年度末に1年間を振り返ってまとめて記入する方がいいでしょう。

個人の重点は、保育者がどれだけ子供の様子を捉えているか、簡潔にまとめたものになります。
しっかりと子供の様子を把握し、一人ひとりに合った重点を考えましょう。

指導上参考となる事項

指導上参考となる事項に関しては、幼稚園教育要領の「ねらい」の5領域を視点として書いていきます。

幼児の「領域」は、小学校以降の「教科」とは違い、領域の間を行ったり来たりしながら成長していきます。
なので、きっちりと領域に分けて書く必要はありませんが、子どもの行動がどの領域に近いのかを捉えながら、要録を書く為の視点にしていくことで、要録の記入がわかりやすくなりますよ。

以下に、それぞれの領域のねらいを示しておきます。

(1)健康
① 明るく伸び伸びと行動し,充実感を味わう。
② 自分の体を十分に動かし,進んで運動しようとする。
③ 健康,安全な生活に必要な習慣や態度を身に付ける。

(2)人間関係
① 幼稚園生活を楽しみ,自分の力で行動することの充実感を味わう。
② 身近な人と親しみ,かかわりを深め,愛情や信頼感をもつ。
③ 社会生活における望ましい習慣や態度を身に付ける。

(3)環境
① 身近な環境に親しみ,自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。
② 身近な環境に自分からかかわり,発見を楽しんだり,考えたりし,それを生活に取り入れようとする。
③ 身近な事象を見たり,考えたり,扱ったりする中で,物の性質や数量,文字などに対する感覚を豊かにする。

(4)言葉
① 自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう。
② 人の言葉や話などをよく聞き,自分の経験したことや考えたことを話し,伝え合う喜びを味わう。
③ 日常生活に必要な言葉が分かるようになるとともに,絵本や物語などに親しみ,先生や友達と心を通わせる。

(5)表現
① いろいろなものの美しさなどに対する豊かな感性をもつ。
② 感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ。
③ 生活の中でイメージを豊かにし,様々な表現を楽しむ。

文部科学省「幼稚園教育要領」

最終学年(5歳児)の書き方

平成30年度の幼稚園教育要領の改訂に基づき、指導要録の書き方についても変更点が生じましたが、4歳児までについては今まで通りに記入します。

今回の改定では、最終学年である5歳児について、平成30年度に改訂された、幼稚園教育要領の第2節「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を活用して書くことが示されました。
この「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は10項目に分かれており、「10の姿」として、5歳児に関して言及されたものです。

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、卒園までに到達すべき目標ではありません。その子供に育まれている資質・能力を捉え、指導の過程と育ちつつある姿を分かりやすく記入するものです。
また、記入の際は、項目別に書くのではなく、総合的に判断して書くようにします。

幼稚園教育要領の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を抜粋してみました。

(1)健康な心と体
幼稚園の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。

(2)自立心
身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。

(3)協同性
友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。

(4)道徳性・規範意識の芽生え
友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、きまりをつくったり、守ったりするようになる。

(5)社会生活との関わり
家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに、地域の身近な人と触れ合う中で、人との様々な関わり方に気付き、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。また、幼稚園内外の様々な環境に関わる中で、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになる。

(6)思考力の芽生え
身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。

(7)自然との関わり・生命尊重
自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。

(8)数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。

(9)言葉による伝え合い
保育士等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。

(10)豊かな感性と表現
心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる。

文部科学省「幼稚園教育要領」

普段の保育で特段に意識している部分ではありませんが、要録記入を意識してきた時には、子供の成長の様子と方向性を見据えておきましょう。
また、記入の際は「10の姿」を参考にしながら、小学校の先生に子供の様子がわかるよう記入しましょう。

文部科学省が出している幼稚園教育要領解説も参考になるので、一度目を通してみましょう。

 

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書き方のポイント

年度末にはどうしても要録書きに追われてしまうもの。
年度の途中から用意しておくことで、記入がスムーズに行えます。

個人の記録をこまめに取っておく

園によっては、補助簿を持っていたり、教務手帳などを利用して、個人の記録を取ることを義務付けられている園もあるかと思います。
義務付けられていない園でも、ノートに一人ひとりの記録を取っておくことをおすすめします。

1年と言うスパンの中でも、子供の成長は一進一退を繰り返しながら、前進していきますよね。
ほんのちょっとしたきっかけが、子供の成長を大きく動かす原動力になることもあります。

小さな出来事を見逃さず、こまめに記録に取っておくことで、後から振り返った時に成長のつながりが見えてきて、要録記入がスムーズになりますよ。

記録は、必ず日付や時期も一緒に記入しておきます。
そうすることで、要録作成に大きく役立ちますよ。

指導をして成長できた点を明確に

指導に関する記録は、子供の課題を明らかにすることではありません。
保育者が考える子供の課題や重点に対し、どのように指導し、その結果としてどのように成長したのかを明らかにすることが大切です。

年度末に残っている課題に対しては、「指導の過程の結果としてここまでできるようになった」事に付加して書くようにすると、子供の成長の伸びしろとして記録することができますね。

ネガティブな表現や極端な言い方はNG

指導をして、子供の成長した姿や、伸びようとする姿に着目して書くのが要録です。

保育者の思い込みでネガティブな表現をしたり、極端に悪く書くことはNGです。
また、極端に良く書くことも避けたほうがいいでしょう。

できるだけ客観的に子供の姿を捉えながら、断定的な言葉を避け、柔らかい言葉遣いで書くように心がけましょう。

子どもの姿を具体的にイメージできるように

抽象的な表現だけでは、読み手側が具体的な子供の姿をイメージできません。

例えば、母子分離に関して「登園時に母親と離れられなかった」とだけ書くのではなく、「登園時に母親と離れられず、保育室に入れないことが多くあった」と書くほうが、具体的に子供の姿がわかりますね。
「歌をうたうのが好き」だけではなく、「歌を歌うのが好きで、保育者にお気に入りの歌をうたって聞かせていた」など、わかりやすい言葉で記入しましょう。

興味や関心、遊び、生活面を記入する

子どもがどのような事に興味や関心を持ち、遊びや生活の中でどのように取り組んでいたかを書くようにします。
遊びの傾向や、生活態度など、子供の心情や意欲、態度なども交えて具体的に書くことで、わかりやすい要録になりますよ。

簡単な下書きを用意する

パソコンを使って作成している園では、下書きがなくてもいいのですが、手書きであれば、書き直しが出来ません。
誤字や脱字に対しては、訂正印を押すことで訂正が可能ですが、文章を入れ替えたり、という様な大幅な修正が出来ないのです。

また、書くスペースには限りがあります。
長文を避け、簡潔な文章でまとめていく為にも、下書きがあるといいですね。

書きたいことが読み手側にもしっかりと伝わるように、簡単な下書きを用意しておくことが大切です。

下書きには、パソコンのワープロソフトを使うと便利です。

個人情報の取り扱いには、十分に注意しましょう。
基本的に、指導要録は持ち出し厳禁となっている園が多いと思います。
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おすすめの参考本

要録記入には、参考本を持っておくと便利です。

幼稚園幼児指導要録 記入の実際と用語例

幼稚園教諭の方であれば、持っている人も多い本だと思います。
満3歳児より用語例がたくさん掲載されているので、この本が1冊あれば間違いなし!と言っても過言ではないですよ。
ただし、こちらの本は平成30年度の改訂に対応していませんので、年長児の担任であれば、改訂に即した内容の本も持っておくと便利ですね。

実例でわかる 幼稚園幼児指導要録作成マニュアル

コチラの本も用語例がたくさん載っており、とても参考になりますよ!
平成30年度の改訂にも対応しています。

書ける! 伝わる! 幼稚園幼児指導要録 書き方&文例集

年長児の担任であれば、平成30年度の改訂に対応していますので、持っておくといいでしょう。
幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)のポイントが示されています。

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