SIDS(乳幼児突然死症候群)とは?原因や保育園での予防対策

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保育の安全

保育士であれば、授業や保育士試験の勉強などで覚えたことのある、SIDS。

SIDSについては、まだ解明されていない点が多く、家庭や保育施設で、毎年のように犠牲になる子供が残念ながら出ています。

自分が担当している赤ちゃんがもしSIDSになったら。
うつぶせ寝で呼吸が止まってしまったら。

そう考えると、私は本当に怖いです。
子供が亡くなってしまうことも、その責任から逃れられないことも、やはり保育士としての責任が問われます。

ただ、常に最新の知識を身に付け、SIDSに対する対策を怠らないことで、事故の可能性を低くすることはできます。

SIDSについての正しい知識を身に付け、特に0歳児や1歳児の担任保育士は、事故防止に努めましょう。

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SIDS(乳幼児突然死症候群)とは

SIDSとは、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る、原因の分からない病気です。
呼吸が止まるので間違えやすいのですが、窒息とは異なります。

原因

SIDSの原因となるものについては、はっきりした医学的な解明には未だに至っていません。
赤ちゃんの中には、病気にかかっていたり障害を持っていたりして、死亡することもあります。
しかしSIDSは、既往歴もなく、何の予兆もない赤ちゃんが突然発症するのです。
よって、死を予測することができず、さっきまで元気だった子供が、睡眠中に呼吸が止まってしまうのです。

SIDSは原則として1歳未満の赤ちゃんと定義されていますが、まれに1歳以上でも発症することがあります。
よって、保育施設でも、0歳児だけでなく、特に月齢の低い1歳児には注意が必要です。

まずは、厚生労働省の資料に目を通してみましょう。

一般的な予防

厚生労働省の資料にもありましたが、SIDSの完全な予防法は確立されていませんが、危険因子については少しずつ分かってきています。
危険因子は、SIDSの直接的な原因ではありませんが、危険因子を避けることで、発症率が下がることもわかってきています。

あおむけで寝かせる

赤ちゃんがあおむけで寝たからと言って、必ずSIDSを予防できるわけではありません。あおむけで寝ていても、SIDSは発生します。
ですが、あおむけで寝ている時よりも、うつぶせで寝ている赤ちゃんの方がSIDSの発生率が高いことが統計的にわかっています。

また、うつぶせ寝より赤ちゃんの顔がよく見えるので、SIDSだけでなく、様々な病気などの早期発見にも繋がります。
さらに、窒息による事故も避けることができます。

SIDSの予防としてだけでなく、赤ちゃんの顔や呼吸を確認するためにも、できるだけあおむけで寝かせることが大切です。

母乳で育てる

母乳で育った赤ちゃんの方が、SIDSの発生率が低いことも、研究によりわかっています。
母乳には、免疫グロブリンAという物質が含まれており、母乳育児はSIDSだけでなく、病気にかかりにくいこともわかっています。

禁煙する

SIDSの発生とたばこには、大きな因果関係があるとされています。
赤ちゃんの近くでたばこを吸わない事が大切です。

うつ熱に気を付ける

最近では、布団や衣服の着せすぎによる体温の上昇が、呼吸中枢の働きに影響を与えるとする「うつ熱」が、SIDSの発生に大きく関わっているのではないか、と言われています。

一般的な予防とされている、あおむけ寝と母乳育児に関しては、うつぶせ寝による体温の上昇、ミルクの温度が高すぎることによる体温の上昇、などに関わっているのではないかと言われています。

うつ熱によるSIDSの発生、という点も、新しい考え方として頭に入れておきましょう。

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保育園での予防

では、一般的な予防方法を踏まえて、集団生活である保育園で、どのような対策をしていくべきでしょうか。

午睡中もかならず子供を見守る

午睡中は、家庭との連絡ノート、保育日誌、個人記録の記入など、書類を書く時間だったり、壁面、明日の保育の準備など製作物があったりして、時間に追われてしまいますよね。

また、休憩などで、保育室にいる人数も減ってしまいます。

しかし、午睡も保育の一環です。
子供が寝ている間にできる仕事もたくさんありますが、子供のことを忘れてはいけません。

基本的な事ですが、書類や製作などは、子供が寝ている方を向いて作業をするようにしましょう。

睡眠時呼吸チェックを行う

睡眠時の呼吸チェックは、SIDSや他の疾患を発見するのに有効な手立てです。
赤ちゃんを預かる施設であれば、必ず取り入れなければならないと、私は思っています。

”チェックをしなければいけない”という意識があるだけで、子供を見守ろうとする意識は高まります。

0歳児は5分おき1歳児は10分おきのチェックが推奨されています。
最初は5分おきのチェックは戸惑いますが、慣れてくると自然にチェックできるようになります。

できれば、1時間ごとにチェック担当を交代し、チェックをする人は書類作業はせずに、できるだけ単純作業(保育室内の清掃や子供の荷物整理など)に回ると、仕事も呼吸チェックも効率よく回ります。
どうしても書類作業中は、意識が子供から外れてしまう事も多く、気付けば10分経っていた…ということも、あるかと思います。

呼吸チェックをする人を固定し、仕事を分担することで、安全性を優先することができますね。

また、チェック項目が多いと、一つ一つのチェックが甘くなってしまうことも。
必要なチェックに留めておきます。

呼吸チェックの方法としては、肺の動きを目視すること、手を子供の鼻に近づけて呼吸をチェックすることの2点で大丈夫です。

また、風邪を引いている時など、体調面で気になることがある場合は、チェック表の備考欄などに”咳”などと記入しておき、チェック者が変わってもわかるようにするのと同時に、万が一救急車で運ばれた時も、時間の経過とともにどんな症状であったかも報告することができます。

あおむけで寝かせる

子供の寝方には癖があり、うつぶせ寝が大好きな赤ちゃんもたくさんいます。
身体の前面が布団にひっついて温まることで、安心感を覚えるようです。

ただ、うつぶせ寝はSIDSや窒息の危険性が高まると共に、発熱など身近な症状の発見を遅らせることにもつながります。
一般的な予防でも、うつぶせ寝を避けることが大切とされています。

できるだけあおむけで寝かせたいものですが、あおむけだと中々寝付けず、無理にあおむけで寝かせようとすると、休息が取れない赤ちゃんも出てきます。

時間をかけて、あおむけで寝かせる癖をつけていきたいものですが、すぐにできる予防として、うつぶせ寝が好きな赤ちゃんに以下のことを実践してみましょう。

◎低月齢の赤ちゃんは、ラックの揺れで寝かしつける
ベビーカーの揺れで寝かしつける
抱っこをして寝かしつける
◎うつぶせで寝かしつけながら、睡眠に入る直前にあおむけにする
◎寝入ったところで、すぐにあおむけにする

園生活や保育士に慣れてきたところで、子守唄を歌ったり顔を見合わせたりして安心感を感じながら、あおむけ、もしくは横向きで入眠できるようになるといいですね。

ミルクの温度に気を付ける

冷凍母乳を預かっている園もあると思いますが、保育園では粉ミルクが中心の園が多いと思います。

うつ熱に気を付けるためにも、ミルクの温度には気をつけなければなりません。
午睡前の授乳では、特にミルクの温度に気を付け、人肌に近い温度であるかを確認しましょう。

保育室の温度と衣服の調節をする

冬には、特に衣服を着せてしまいがちですが、赤ちゃんは汗かきで体温も高めです。
室温は20℃前後にしておけば、肌着+1枚でも十分に暖かいでしょう。

赤ちゃんは、布団も1枚とカウントします。
しかし、睡眠中は動きがない事も考慮し、肌着+布団を基本としながら、室温が上がりきっていない時にはタオルケットなどで調整します。

特に、寝床の近くで床暖房が効いている場合は、肌着と布団だけで十分に暖かいです。
寒いからと、着せすぎや布団のかけすぎに注意しましょう。

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安全は完全ではない、それでもしなければならないこと

私は、仕事上でもプライベートでも、実際にSIDSになった赤ちゃんに会ったことがありません。
だからと言って、自分の園の子供が、我が子がSIDSになるわけがない、なんて考えには至りません。

SIDSの発生を身近に経験した人も少なく、また完全に予防できるという明確な手立てがない分、どこまでの対策を取ればいいかの意識が曖昧になってしまうものかもしれません。
しかし、正しい知識を身に付け、出来る限りの対策を取ることは、絶対に必要な事です。

定期的に職員会議でも議題として取り上げ、SIDSだけでなく午睡中の事故を見逃さない対策を考えていくべきです。

クラス内の保育士とも話し合い、クラスの状況に合わせて対策を取れるようにしていきましょう。

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