通園バスを運行するに当たって、園独自のマニュアルは必須であり、安全性が最優先されるべきであります。
しかし、子供の安全は、園と保護者が一体となって守るべき事項でもあります。
そのためにも、通園バスを利用する保護者へ様々なお願いをしていかなければなりません。
今回は、安全な通園バス運行をするために、保護者と共有すべき事項をまとめています。
通園バスは大きなサービスでありますが、お互いに守るべきことを守ってこそ、子供の安全が守られます。
決して園が上から目線ではなく、保護者優位でもなく、一緒に子供を守る。
この視点を忘れずに、手紙等を配布して保護者と共有していきます。
バス停に来る時間を互いに守る
通園バスは、公道を利用して保護者へサービスを提供しています。
園側も保護者側も、お互いにその意識を持ち、時間を守ることが大切です。
とは言え、公道を利用している以上、通園バスが正確な時間にバス停へ到着するのは難しいですよね。
そこで、バス到着時刻に余裕を持って来てもらうようお願いしておきます。
バスの到着時刻は、基準時間です。
早めに来てくださいと園はちゃんと伝えてるのに、来てないのは保護者だから、到着時刻を待たず、連絡もなしで勝手に通過する。
実際に、こんな運行をしている園もあるようです。
基本的には、
②来ていない保護者へ一度連絡を入れる
③連絡がついた場合は、相談して対応を決める(基本的には、バス到着時刻に間に合わなければ、子供を待たない)
④連絡がつかない場合は、バス到着時刻を過ぎたら出発し、園へ連絡を入れる
この手順を踏みます。
これは、園と保護者が互いに歩み寄ることで成立する方法です。
*保護者は、到着時刻に間に合わない場合はバスを利用できない
園と保護者、どちらも譲り合って成立します。
そこで保護者には、この3点をお知らせを出して、情報を共有します。
*大幅に到着時刻が変わる場合は、園から連絡しますので、対応をお願いします。
*到着時刻を過ぎたら連絡がつかなくても通過しますので、登園の際は園へ各自お送りください。
その意味でも、バスの時刻表は丁寧に決定する必要があります。
交通事情が変わり、到着時刻が変わりやすくなった場合は、新しい時刻表を作って配布します。
また、欠席者が多く、早くバスが到着する場合は、連絡網やメール連絡、アプリ等を利用し、保護者に早くバス停へ来てもらうよう連絡できる手段を用意しておくと、園側の負担も減ります。
欠席連絡は必ずしてもらう
欠席する場合、特に子供に熱が出たような時は、朝はバタバタしていて、早い時間のバスの保護者は、連絡を入れることも大変です。
ただ、欠席連絡は必ずしてもらうようにお願いしておきます。
必ず保護者が欠席連絡する、ということが前提にあると、欠席連絡がない場合の違和感に気が付きやすいです。
通園バス利用者は、必ずバス出発時刻までに欠席連絡を入れてもらうことをお願いしておきます。
このことを、はっきり明言しておきます。
その上で、連絡がなく欠席してしまうと、バスの運行に支障が出てくること、他の通園バス利用児の待ち時間が長くなることなどを伝えます。
欠席連絡がないことが続く場合は、その保護者に直接お願いしましょう。
責任の所在を明確にする
徒歩通園児であれば、子供が園の門をくぐって、もしくは保護者が保育室に連れて行って、保育者と挨拶した時点で、子供に関する責任はすべて園と保育者にあります。
でも、バス通園児の場合、どこからが責任の線引きか、曖昧になります。
しかし、責任の線引きを明確にしておくことは、保護者も園も、トラブルを避けるために必要なことになります。
責任の線引きを曖昧にしたままだと、園児や付き添いの子供に怪我などあった場合、問題となります。
家からバス停に連れてくるまでの時間はもちろん、保育者が子供を通園バスに乗せる瞬間まで、保護者の責任です。
バス到着までの約束事を確認する必要があります。
②バス到着時に子供の手を離さず、決められた場所で待つこと
③複数の子供が同じバス停を利用する場合は、並んで待ち、落ち着いて乗車すること
④子供が不機嫌でバスに乗れない時のこと
子供を通園バスに乗せることができれば、その瞬間から保育者の責任となります。
バスに乗った瞬間から保育が始まります。
降園時の対応
降園時も、保護者の方には時間に余裕をもってバス停に来ていただき、バスから降りた後は、保護者の責任で帰宅していただきます。
保護者に連絡せず、同じバス停の他の保護者に引き渡す園があると聞きました。
ほとんどの園ではそんなことしてないとは思いますが、どうですか?
こちらも、基本的な手順を踏むことが大切です。
保育の始まりと終わりは、保護者との直接引き渡しが基本です。
保護者に直接引き渡せないと、事件や事故のきっかけとなる場合がありますし、責任の所在が曖昧になります。
例えば、バス停にお迎えに来ていない保護者が、病気で倒れていた場合。
勝手に他の保護者に預けられた子供の責任は、誰が取るのでしょう。
勝手に他の保護者に預けられた子供が保護者の元に戻るまでに、万が一、子供が事故や事件に巻き込まれた場合、その責任は誰が取るのでしょう。
このような責任問題を最後まで考えることが、保育の安全を守ることに繋がるのだと思います。
また、おばあちゃんなど、いつもとは違う方が迎えにくる場合は、事前に連絡をもらうようにします。
勝手に違う人がお迎えに来て、子供を連れ去る事件に巻き込まれる場合も考えられるからです。
(親族であっても、離婚協議中などの場合もあるので注意が必要です。)
*保護者以外の方がお迎えに来られる場合は、その旨を事前に園への連絡していただくようお願いします。
*事前に連絡や同意なく、他の保護者等に子供を預けて降車させることはできません。
降園の際も、バスの時刻変更を、アプリや連絡網をつかって情報共有すると、保護者も園も負担が減ります。
まとめ
いかがでしたか。
このようなお知らせは、一度書いてしまうと毎年同じ文章のまま印刷して、年度初めに保護者に配布している園が多いことと思います。
しかし、2021年7月には、通園バスによる死亡事故も発生しており、見直しが必要になっています。
管理職だけでなく、現場の保育士、運転手、事務職員、みんなで話し合い、適宜マニュアルを見直し、保護者と共有していくことが、通園バスによる事故から子供の命を守ることに繋がっていきます。
子どもの命を、みんなで一丸となって守っていきましょう。
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