私が幼少期の頃に通っていた幼稚園では、母の日参観や父の日参観がありました。
しかし現在では、その幼稚園でも、母の日参観はありますが、父の日参観はファミリーデーとして休日参観が設けられているそうです。
比較的、ひとり親世帯の少ない幼稚園ですら、配慮事項となっており、あらゆる家庭環境の子供が集まりやすい保育園では、更なる配慮が必要で、母の日参観や父の日参観はしない、という園も多い事でしょう。
その代わりとして、ファミリーデーとして休日に参観を設け、保護者に感謝の気持ちを伝えるイベントを行っている園も増えてきました。
そこで今回は、母の日参観・父の日参観・ファミリーデーなど、保護者に感謝を伝える参観としての、ねらいやアイデアを紹介していきたいと思います。
母の日・父の日の由来
母の日も父の日も、アメリカで発祥した行事です。
母の日は、20世紀初めに、アメリカのウェストバージニア州に住んでいたシャルビスと言う女性が、亡くなった母親に追悼式で白いカーネーションを捧げたことが始まりです。
その母親は、日曜学校の先生をしており、あつまったたくさんの人々にも白いカーネーションが配られたそうです。
やがて5月の第日曜日を母の日とする習慣がアメリカで広がって祝日となり、日本でも戦後にお祝いする習慣ができました。
父の日は、ワシントン州に住んでいたドッド夫人が母の日にならって、自分たちを育ててくれた父親に感謝の気持ちをこめて、白いバラを贈ったのが最初だとされています。
日本では、6月の第3日曜日を父の日としています。
どちらの日も、育ててくれた親に対する感謝の気持ちを伝える日ですね!
参観を行う場合
母の日参観や父の日参観を行う場合、クラスにひとり親世帯がいた場合の対応を、園として考えなければなりません。
その代わり、事前に保護者に連絡をし、似顔絵を描く時間を設けることと、その子供に誰の似顔絵を描いてもらうか一緒に決める、という判断になりました。
幸いにも、保護者の理解もあったのですが、保護者からクレームとして「描かせないで欲しい」という答えが返ってくることも想定内だと、私は思います。
そうなっても似顔絵を描くのかということも含めて、話し合うべきですね。
ただ、お父さんやお母さんの似顔絵ではなく、子供が自分の顔や、お父さんお母さんの好きな物、など、絵やプレゼントのテーマを変えることで、対処可能な事も増えてきますよ。
また、子供の純粋さ故に、「どうして○○ちゃんのお家にはお父さんがいないの?」と言う子供も出てくるでしょう。
その場合も、「でも○○ちゃんのお家にはママがいたり、おばあちゃんがいて、家族がいて素敵だね」と、家族の存在を強調するようにすれば、少しでも心の傷は少なくなりますね。
かわいそうだから、というような態度は決して出さず、ポジティブに捉えられるような発言に変えていくことが大切です。
母の日・父の日やファミリーデーのねらいと導入
母の日も父の日も、家族への感謝の気持ちを伝える日です。
子供たちにも、感謝の気持ちがしっかりと持てるようにしていきたいですね。
導入
導入では、5月には、母の日について知らせていきます。
みなさん、母の日って知っていますか?
そうです、母の日はね、いつも頑張ってくれているお母さんやお家の人に、感謝の気持ちを伝える日です。
だから、おいしいご飯を作ってくれたり、お仕事を頑張ったりして、みんなが大きくなりますように、っていつも願っているんだよ。
みんなのお母さんは、いつもどんなことをしているかな?
お料理?お掃除?お洗濯?お仕事?そうだね、色々な事をしてくれているね。
そのおかげで、みんなは家や園で楽しく遊ぶことができるんだね。
頑張ってくれて、ありがとうの気持ちが出てくるよね。
そんなお母さんが、みんなから言われて嬉しい言葉って、なんだと思う?
「大好きだよ」「ありがとう」
そう言ってもらえると、お母さんはとっても嬉しいんです。
だから、母の日に、お母さんやお家の人にプレゼントを作って渡したり、「お母さん、ありがとう」っていう参観に来てもらったりしようね。
父の日についても、6月に伝えていきましょう。
6月には、お父さんに感謝する「父の日」という日があるのを知っていますか。
父の日は、いつも頑張っているお父さんを労わって、ありがとうの気持ちを伝える日です。
お父さんやお家の人はね、お仕事を頑張っています。
どんなお仕事があるか知っている?みんなのお父さんやお母さんは、どんなお仕事をしているか知っているかな?色々なお仕事があるよね。
朝早くに出ていくお仕事、夜遅くに帰ってくるお仕事、みんなが園をお休みの日にもお仕事に行くお父さんもいます。
みんながおいしいご飯を食べられるように、お仕事を頑張っているんだね。
そんなお父さんに、「ありがとう」の気持ちが伝わったら、お父さんはなんて思うかな?
そうだよね、絶対嬉しい気持ちになるよね。
だから、プレゼントを作ったり、参観日には「ありがとう」って、伝えたりしようね。
おすすめの絵本
母の日や父の日にまつわる、楽しい絵本を紹介します。
おかあさんがおかあさんになった日
お母さんがお母さんになった日。
それは、大好きなあなたたちが生まれてきた日だよ。
お母さんが子供を愛おしむ気持ちと、生まれてきた喜びを感じられる1冊です。
おかあさんは、なにしてる?
みんなが園に来ている間、お母さんは何をしているんでしょう。
お家のことやお仕事…。
おかあさんの様子を楽しく伝える1冊になっています!
子供も大好きなお母さんを思い浮かべながら、興味津々で見てくれる絵本になっています。
ぼくのおとうさんとおかあさん
ぼくのおとうさんと、おかあさんは、だれだろう?
おたまじゃくしはお父さんになるとカエルになって、青虫はチョウチョになって…名前が変わって面白い!
自分のおとうさんとおかあさんを思い浮かべながら、楽しく読める1冊です。
おとうさんはウルトラマン
子供の大好きなヒーロー、ウルトラマン!
お父さんの気持ちや頑張りを、パパウルトラマンが教えてくれます。
くすっと笑えて、だけど心が温まる1冊になっていますよ!
プレゼントのアイデア
プレゼントは、基本的には、お家の人なら誰がもらっても嬉しい気持ちになるもの、にするといいですね!
プレゼントキットなども販売されていますが、お家で使いにくいものも多いので、簡単な製作物のプレゼントの方が喜ばれますよ。
絵のプレゼント
絵のプレゼント、と言っても、自分の似顔絵や、自由に描いた絵など、テーマは色々あるでしょう。
年齢と場面に合った絵を贈りますが、描く前や描くときに、「お家の人にありがとうの気持ちを込めて絵を描こうね」と声を掛けていきましょう。
お父さんやお母さん、お家の人が好きな物、僕や私が好きな物という題にしても、楽しい絵になって喜ばれますよ!
絵から、お家の人との会話に繋がるところも素敵です。
絵は、カラーボール紙や片ダンボール紙などで枠や土台をつけ、紐を通せば、家に帰ってすぐに飾れるのでおすすめです!
また、画用紙で花束を作り、中に絵や写真を貼っておくのも、簡単なプレゼントで喜ばれますよ!
写真のプレゼント
特に乳児クラスでは、プレゼントに園で撮ったすてきな写真が貼ってあると、園での様子もわかって嬉しいものです。
写真立てを簡単に作ってその中に写真を入れてもいいし、画用紙に貼って子供たちが装飾をしたものでもいいですね!
写真以外の部分で、子供たちが手作りできるよう工夫します。
小物入れ・鉛筆立て
家に飾ってもらったり、使ってもらえたりするのは、牛乳パックで作った小物入れや鉛筆立てですね!
お花をたくさんつけたり、子供が描いた絵を貼ったりして、喜んでもらえるようにしましょう。
参観のアイデア
ファミリーデーや休日参観では、お父さんもたくさん集まって来られると思います。
日頃、園の様子が見られない保護者に、園での子供たちの様子を見てもらったり、園生活や幼児教育への理解を深めてもらったりできるいい機会ですね。
また、お家の人への感謝の気持ちを伝える日。
子供たちが保護者と一緒に過ごして、楽しかったと思えるような参観にしていきましょう。
一緒に製作をする
子供と保護者で、簡単な製作遊びをします。
廃材を使った製作などをして、その後、ゲームにつながるような物もおすすめです。
たとえば、紙皿を使った簡単なコマ作りをします。
絵は、子供と親が一緒に描きます。お父さんの意外な画力に、子供もびっくりするかも!
そのコマを使って、お家の人同士のコマ回し対決をしてもらいます。
子供たちは、自分のお家の人を応援して、大興奮!
また、乳児では粘土製作など、園でよくしている簡単な製作などを保護者と一緒にすると、子供も気軽に楽しめますね。
ふれ合い遊び
ふれ合い遊びは、乳児から幼児まで、みんな楽しめる内容になっていますね!
色々な触れ合い遊びがありますよ。
例えば、”バスにのって”は、特に乳児さんに大人気ですね!
また、同じくおかあさんといっしょから”でかけよう”は、幼児さんでも楽しめる親子ダンスになっています。
ケロポンズのたけのこさんは、0歳児から、主に乳児さんが楽しめますよ!
参観日までに、保育の中でふれ合い遊びをしておくと、当日も子供たちが楽しめますね!
また、ふれ合い遊びでなくても、一緒にダンスを踊ったり、普段から踊っているダンスや体操を一緒にするだけでも楽しめますね。
ゲームあそび
特に幼児クラスでは、保護者の方と一緒にゲーム遊びをすると、とっても盛り上がりますよ!
リレーゲーム
園庭や遊戯室、ホールなどを使って、リレーゲームをすると、とても盛り上がりますよ。
玉入れ
玉入れであれば、保育室でも簡単に行うことができますよ!
例えば、保育者がかごを頭の上に持って、玉を投げるなどしてもいいし、乳児であれば、床に置いた箱にボールをたくさん入れるなど、年齢に合わせて楽しむことができますね。
また、保護者vs子供の対決にすると、また盛り上がりますよ。
じゃんけんゲーム
子供たちの大好きなじゃんけんゲーム!
親子ですれば、子供たちも喜んでくれますよ。
歌のプレゼント
いつも頑張ってくれているお母さんやお父さんに、感謝の気持ちを込めて、うたのプレゼントをしてみましょう。
特別な歌でなくても、普段歌っている歌でもいいので、保護者の目の前で歌います。
子供たちが座っている椅子の前に保護者に来てもらい、子供たちは立って、保護者は椅子に座ってもらうなどすると、より近くで子供たちの歌が聞けますね!
親子で楽しめるファミリーデーを
母の日や父の日は、保護者への感謝の気持ちを伝える日。
子供たちにも意味をしっかりと理解してもらい、感謝の気持ちが伝わるようにしながらも、親子で楽しかった!と思ってもらえるような参観日になるといいですね。
また、家庭の事情を考慮しつつ、どの子供も楽しく過ごせる参観やプレゼントを考えていきたいですね。
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