私立幼稚園は、学校法人や宗教法人などが運営している、民設・民営の幼稚園です。
私立幼稚園ってどんな所?
設立・運営
ほとんどの私立幼稚園は、同じ団体もしくは関連する団体が設立と運営をしています。また、個人立の幼稚園もあります。
主な運営主体
学校法人
宗教法人
公益法人
社会福祉法人
個人
職員
正職員は、勤める幼稚園や法人等に直接雇用されます。
常勤職員、非常勤職員、パート職員などの非正規職員は、直接雇用される他、派遣幼稚園教諭として派遣会社に雇用される場合もあります。ただ、乳児保育を行っていないので、私立保育園より非正規職員の数は少なくなり、派遣での求人も少ない傾向にあります。
採用試験
正職員
私立幼稚園独自の試験が実施されます。
筆記試験と面接の他に、ピアノなどの実技試験がある幼稚園が多く、特にピアノの試験が厳しい園もあります。
非正規職員
難しい試験はなく、面接のみの簡単な試験であることが多いです。
受験資格
正職員
幼稚園教諭として働くのであれば、幼稚園教諭免許は必須です。
幼稚園教諭免許は、短大卒で2種、四大卒で1種免許となりますが、2種免許以上となっている園がほとんどです。
事務員や用務員などは、幼稚園教諭免許がなくても受験できる園が多くなっています。
また、園が独自に設定した受験資格を満たせば、受験することができます。
また、保育士資格を持っていると有利になる園もあります。
非正規職員
保育補助として幼稚園で働く場合は、幼稚園教諭の免許が不要の場合もありますが、できるだけ幼稚園教諭免許を持っている人に働いて欲しいという園が多く、保育園よりも無資格の枠は少ない傾向にあります。
私立幼稚園で非正規職員だと、保育補助や特別支援児加配教諭の他に、バス添乗、預かり保育担当教諭などの仕事もあります。
また、パート職員でフリー教諭を雇用している園もあります。
勤務地
基本的には、採用された幼稚園で雇用されることになりますが、姉妹園など複数園運営している幼稚園だと、姉妹園の幼稚園や保育園に異動という場合もあります。
給与
運営者や各幼稚園によって規定された給料になります。
運営母体や幼稚園の規模によって、私立幼稚園の中でも、給料が低い幼稚園と、給料が高い幼稚園があり、大きな差が出ています。
休日・休暇
正職員でも週休2日の幼稚園が多いですが、土曜日に預かり保育をしていたり、土曜日に特別保育を実施している幼稚園だと、土曜日に出勤と言う園もあります。
ただし、仕事上、どうしても行事の時は土曜日や日曜日に行われるので、行事の日は非正規職員も休日出勤しなければなりません。
また、夏休みや冬休み、春休みは保育がないので、午前出勤だったり、交代で出勤となり、長期休暇が取りやすい園が多い事が特徴です。
保育補助のパートであれば、長期休暇中は出勤がない場合が多いです。
私立幼稚園の特徴
私立幼稚園って長時間労働のイメージがあるけれど…実際はどうでしょう。
私立幼稚園の特徴をみていきましょう。
各園に独自性がある
行われている保育の内容は、それぞれの幼稚園で独自に決められています。
なので、各園によって様々な保育が行われており、差別化が図られています。
のびのびとした保育、自然を大切にする保育、行事に力を入れる保育、お勉強などの教育に力を入れる保育など、時には幼稚園教育要領から程遠く離れる保育もあります。
こんな保育がしたいという思いがあるなら、保育方針の合った園を選ぶことができるのも、私立幼稚園の良いところです。
ただ、極端に行事などに偏った園もあり、準備に追われるなど先生の仕事量が増えている園が多いのも事実です。
幼児教育に特化している
基本的には3~5歳児の保育をするお仕事です。また、幼稚園は位置づけとして、学校教育法に基づく教育機関なので、幼児教育に特化している点が特徴です。
幼児教育と言っても、先ほど見てきた通り、独自性の高い様々な保育が行われていますが、どの園もでも3歳から5歳の特徴を捉え、幼児に合わせた教育が行われています。
残業や持ち帰りの仕事が多い
残業時間が長いのは私立保育園にもいえることですが、昨今では私立保育園では遅くても閉園時間には帰ろうとする園も多くなってきています。(その分持ち帰りの仕事もありますが…)
私立幼稚園の場合、2時半に保育が終わってからいつまでも仕事ができる状況にあるため、閉園時間には帰ろう、というような時間設定がされにくく、結果として長時間労働になっている園がたくさんあります。
毎日夜の7時までは当たり前だったり、遅い園だと9時や10時まで働くことも…。
また、少子化で共働き世帯が増えた影響もあり、私立幼稚園では過剰なサービスを提供して園児を集めようとする傾向もあります。
早朝保育や保育園並みの延長保育を行っている園、預かり保育後のバス通園などのサービスを行っている園もあり、延長保育などの専任教諭を置かない園などでは正職員の負担が増えています。
ただ、職員を大切にする園もあったり、保育に自信をもって過剰なサービスを行わない園もたくさんあります。
お給料が少ないことが多い
私立幼稚園は、公立幼稚園の先生に比べて給与は低くなっています。
採用されたばかりのお給料に差はあまりないのですが、やはり公立幼稚園には昇給の幅が大きいので、勤続年数が長くなればなるほど、お給料に差が開いてくることが多いです。
しかし一方で、保護者が高い保育料を支払うような名門私立幼稚園等は、先生に求めらえるレベルも高いのですが、お給料もとっても高給だったりします。
一般的に、宗教法人はお給料が高い傾向にあるので、要チェックです。
異動がなく、上司の入れ替わりがほとんどない
異動がないのはメリットにもデメリットにもなります。
とてもいい上司や先輩に恵まれた園であれば、ずっと続けられる園になります。
ただ、合わない上司がいたり、いじめのある園に採用されてしまうと、上司が辞めない限り、自分が辞めるしか逃げる方法がないからです。
また、異動がない私立幼稚園は、上司もずっと同じ環境で保育をしてきた事になります。
ちょっと変じゃない?と思うような事がその園では常識になっていたり…。
特に私立幼稚園は、私立保育園よりも職員数が少なく、狭いコミュニティーで仕事をすることになります。
また、保育園より職員室で仕事をする機会も多いので、うまく関係を築けていない上司や先輩とも顔を合わせる機会が多いのです。
パートの採用は少ない
幼稚園には幼稚園教諭の配置基準はないので、1学級35人以下であれば1人担任でいいのですが、満3歳児保育を実施している幼稚園や3歳児クラスに補助教諭を配置している園が多くなっています。
ただ、保育園では配置基準が明確にあり、どこも保育士不足で常に求人があるのに対し、幼稚園では園児の数が減っているうえに、2時半まで、長期休暇ありのパートとなると、さらに主婦が働きやすい条件なので、一度勤めたら辞める人も少なく、求人が極端に少なくなっています。
また、預かり保育担当教員も非正規職員であることが多いのですが、延長保育が長い園だと6時までのお仕事になり、条件が合わずに求人がたくさん出ていることもあります。
こんな人は私立幼稚園に向いている!
こんな人は、私立幼稚園で働くメリットがあります!
自分にあった園に巡り合えることが、長く続ける秘訣ですね。
保育士という一つの仕事ですが、園によって行われていることは様々です。
今いる園に不満があるのであれば、一度転職して、他の園で勤めてみましょう。
もっといい保育に出会えるかもしれませんよ☆
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